新宗教用語辞典

【あ行】

アポカリプス: 世界の終末や大いなる破滅を意味する言葉で、多くの宗教や神話において重要な概念となっている。宗教的な救済や再生のシンボルともなり、信者にとっては、善悪の最終的な勝利や神の審判が行われる時を意味する。

イニシエーション(Initiation): 宗教や神秘主義団体で、新たな信者や参加者が一定の儀式や試練を経て、その団体の教えや秘密を受け入れる過程。イニシエーションは、信者が教団や団体の一員として受け入れられるための重要なステップであり、その過程で信者は新たな自己認識や霊的成長を目指す。

オカルト: 科学や一般的な宗教観念を超越した神秘的、不可解な現象や信仰を扱う分野。占星術、タロット、神秘主義、心霊現象、超能力など、非科学的な方法で宇宙や人間の本質を理解しようとする試みを含む。一部の人々に強い魅力を持ち、現代のスピリチュアル文化に影響を与えている。

お布施(おふせ): 宗教上の指導者や寺院、神社などに対して、信者が金銭や物品を奉納すること。感謝や敬意を示すため、または宗教的な功徳や恩恵を得ることを目的として行われることが多い。

オーラ(aura): 人間や物体が放つとされる、エネルギーや生命力を示す輝きや光のかたまり。スピリチュアルな世界観で重要な概念であり、オーラの色や強さが個人の性格や健康状態を示すとされる。

【か行】

開祖(かいそ): 宗教や教団を創設した、最初の指導者や教祖。開祖は新しい教義や信仰体系を確立し、その宗教の基礎を築いた人物とされる。開祖の教えや行いは、信者にとって模範や指針となる。

神懸り(かみがかり): 神や霊的な存在が人間に取り憑く、またはその人間を通じて顕現し、託宣や予言、癒しを行う現象。神懸りは、シャーマニズムや神道系など多くの宗教で見られる現象で、信者はその託宣や予言を尊重し、神や霊的存在との交流を通じて指導を受けると考えられる。

カルト:一般的な宗教観念とは異なる独自の信仰体系や規範を持ち、往々にしてカリスマ的なリーダーに強い忠誠心を示す集団。一部は社会的に危険とされることがある。

カルマ(karma): インドの宗教哲学において、人間の行為や意識が引き起こす善悪の業(わざ)の総体。個人の行いが現世や来世の運命に影響を与えるとされ、善い行為を行えば幸福が、悪い行為を行えば苦難が訪れると考えられている。

既成宗教(きせいしゅうきょう): 歴史的に古く、社会的に広く受け入れられている宗教。キリスト教、イスラム教、仏教、ヒンドゥー教などが代表的な既成宗教。

奇跡(きせき): 自然法則や科学的説明が困難な、神秘的で驚異的な出来事。多くの宗教では、神や聖者が行ったとされる超自然的な業(わざ)や現象として認識される。

救世主(きゅうせいしゅ): 人類や世界を救済し、導くことができるとされる宗教的な存在。救世主は、多くの宗教で重要な役割を担っており、信者は救世主の到来や再臨を願っている。キリスト教のイエス・キリストや仏教の弥勒菩薩など、様々な宗教で救世主が存在する。

教祖(きょうそ): 新宗教や宗派、教団などの創設者や指導者を指す言葉。教祖は、新しい教えや信仰を提唱し、独自の宗教哲学を構築する。信者にとっての精神的な権威であり、神聖視される。

経典(きょうてん): 宗教の教義や信仰、歴史、伝承などを記した聖典や典籍。信者にとって、神聖な教えや法則が記されているとされる。

救済(きゅうさい): 苦しみや迷いから人々を救い出すことを意味し、多くの宗教において重要な概念となっている。教えや信仰を通じて人々の精神的・肉体的な苦しみを和らげ、解放することを目指す。

グル: スピリチュアルな教えや知識を提供する精神的指導者。サンスクリット語で「教師」や「指導者」を意味し、特にインドの宗教や哲学において、弟子に教えを説く精神的な指導者の役割を果たす人物を指す。弟子は、グルから教えを受けることで、知識や悟り、解放を追求し、グルに対して尊敬や帰依の念を抱く。近年では、スピリチュアルやヨガの分野でも、グルという言葉が使われることがある。

啓示(けいじ): 神や高次元の存在からの直接的なメッセージや知識を意味する言葉で、多くの宗教や神話において重要な概念。預言者や霊媒、聖者などの特定の人物を通じて伝えられ、信者にとっては、神の意志や智慧を知る手段となる。

現世利益(げんぜりやく): 信仰や宗教的な行為によって、今生(現在の人生)で得られるとされる利益や恩恵。健康、幸運、成功、家族の安寧など、現世での幸福や安心を求める信仰がこれに当たる。多くの宗教では、信者に対して現世利益を提供することで、信仰の魅力や実用性を強調している。

献金(けんきん): 宗教団体や教会に対して、信者が金銭を寄付すること。お布施と同様に、感謝や敬意を示す目的で行われることが多いが、教会や団体の運営費や活動資金として使われることが一般的。

(こう): 宗教や教えに関する集まりや勉強会、またはそのような集まりを開く団体を指す。参加者が共通の信仰や教義を学び、実践し、深めることを目的としている。

勤行(ごんぎょう): 信仰や修行の一環として、定期的に行われる宗教的な行為や儀式。祈り、瞑想、読経、詠唱、礼拝などがこれに該当する。勤行を通じて、信者は教えを実践し、自己の精神的成長や浄化を目指す。

【さ行】

在家(ざいけ): 世俗的な生活を送りながら、宗教的な教えや修行を実践する信者。在家信者は、僧侶や尼僧とは異なり、一般社会に生活しながら信仰を持ち続ける。

折伏(しゃくぶく): 他人を自分の信仰に改宗させること。一般的には、宗教の教えや信仰の優位性を説いて、他人を説得し、自らの信仰に導く行為を指す。主に創価学会でよく用いられる。

シャーマニズム: 古代からの霊的信仰体系で、シャーマン(霊媒師)が霊的存在とコミュニケーションを取り、治癒や予言、魂の旅を行うことを特徴とする。

集団催眠(しゅうだんさいみん): 集団の中で、心理的な圧力や感情的な共感によって、個人が特定の信念や行動を受け入れる現象。

出家(しゅっけ): 世俗の生活を捨てて、宗教的な道に専念すること。主に仏教や一部の宗教で、僧侶や尼僧として出家することが一般的。出家者は、宗教的な修行や教えの伝播に専念し、世俗的な煩悩や束縛から解放されることを目指す。

諸教(しょきょう): 新宗教の文脈においての諸教とは「神道系」「仏教系」「キリスト教系」の三系統に属さないそれ以外のものをいう。 日本の新宗教の定義では便宜上前述の三つか、もしくは諸教に分類がなされる。

信者(しんじゃ): ある宗教、教団、教派、または思想・哲学に信仰や帰依を持っている人々を指す言葉。その宗教や教えの教義や価値観を受け入れ、実践し、共同体の一員として行動する。

新宗教(しんしゅうきょう): 歴史的に比較的新しい宗教団体や信仰体系。既存の宗教から派生したり、独自の教義や信仰を築いたりすることが一般的で、社会や文化の変化に応じて生まれることが多い。

新新宗教(しんしんしゅうきょう): 新宗教の中でも1970年代以降に設立されたものをいう場合が一般的だが、正確な定義はない。

神秘主義(しんぴしゅぎ): 宗教や哲学において、直接的な神秘的体験や悟りを重視する思想。神秘主義では、神や絶対的な真理に触れることが、人間の究極の目的とされる。瞑想や祈り、詩や音楽など、さまざまな手段で神秘的体験を追求することが、神秘主義の実践者にとって重要となっている。

スピリチュアル: スピリチュアル(すぴりちゅある): 霊的、精神的な側面や経験を扱う概念で、宗教や神秘主義、心霊現象など、非物質的な価値観や信仰を含む幅広い範囲を指す。

聖教新聞(せいきょうしんぶん): 創価学会が発行する機関紙。1951年から発行されており、1965年に日刊となった。教団関連記事の他一般のニュースも掲載されている。

セクト(sect): 宗教的な信念や教義を持ち、一般的な宗教や教派とは異なる独自性を持つ小規模な集団。他の宗教や教派から独立した形で信仰を展開し、独自の教えや信仰体系を持つ。

前世(ぜんせ): 生まれ変わりや輪廻転生の信仰において、現在の生涯(今世)よりも前に過ごしたとされる過去の生涯。前世の行いや業(カルマ)が、今世の運命や人生に影響を与えるとされることがある。

先祖供養(せんぞくよう): 故人や先祖の霊を慰め、供養するために行われる宗教的な行為。先祖供養は、多くの宗教で行われており、故人や先祖の霊が安らかに成仏できることを願うもの。家族の絆や繋がりを大切にする文化の一部でもある。

【た行】

チャネリング(channeling): 霊的存在や高次元の存在とのコミュニケーションを行うスピリチュアルな技法。霊媒やチャネラーと呼ばれる人が、霊的存在のメッセージや知識を受け取り、それを伝える。

手かざし(てかざし): スピリチュアルヒーリングやエネルギーワークの一種で、手を用いて人体や物体にエネルギーを送り、癒しやバランスを回復させる方法。世界救世教系や真光系諸教団で主に用いられる。

【な行】

ニューエイジ運動: 20世紀後半から現れたスピリチュアルな運動で、東洋の宗教や哲学、西洋の神秘主義や心身技法など、様々な要素を取り入れている。

【は行】

万教帰一(ばんきょうきいつ): 全ての宗教は一つに帰るという考え方。そもそも全ての宗教は元を正せば一つと言い換えることもできる。

分派(ぶんぱ): ある宗教や教団から派生してできた、独自の教義や信仰を持つ小さな集団。分派は、元となる宗教や教団とは異なる解釈や実践を行い、新たな信者層を形成する。

【ま行】

マインドコントロール: 他者の意志や考え方を支配し、特定の信仰や行動を受け入れさせるための心理的操作技術。

曼荼羅(まんだら): インド仏教や密教などで用いられる、宇宙や神仏の姿を象徴的に表現した図像。曼荼羅は、瞑想や修行の際に用いられることが多く、信者は曼荼羅を通じて神仏との繋がりを感じることができる。また、宗教的な美術品としても評価されている。

【や行】

唯一神(ゆいいつしん): ある宗教において、唯一の至高神とされる神。その宗教の信仰対象となる唯一の神を指す。既成宗教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教などの一神教では、唯一神が信仰の中心となる。

【ら行】

レイキ(れいき): 治療や癒しを目的とする、エネルギーを使ったスピリチュアルな技法。手のひらを使ってエネルギーを伝えることで、心身のバランスを整えるのだと信じられている。

霊験(れいげん): 神や仏、聖人などの霊的な力によって起こるとされる、願いが叶ったり、病気が治ったりする現象。信仰の対象となる存在の加護や力が働いたとされる事例。